<aside> <img src="/icons/playback-play-button_blue.svg" alt="/icons/playback-play-button_blue.svg" width="40px" /> 講義を観よう

<aside> <img src="/icons/save_blue.svg" alt="/icons/save_blue.svg" width="40px" /> 講義動画で用いたデータセットとSASプログラム

Ruff.csv

Ruff.sas

</aside>

<aside> <img src="/icons/book_blue.svg" alt="/icons/book_blue.svg" width="40px" /> ポイント

メタアナリシスでは、個々の試験の結果を統合するための統計手法として、変量効果モデルと固定効果モデルが用いられますが、どちらも本質的は「平均値」です

固定効果モデルと変量効果モデルの実質的な違いは、重み付き平均を計算するときの重みに表れます(固定効果モデルでは、推定値の精度が低い試験に小さな重み)。違いが生じる理由は、前者は推定値のバラツキを「試験内分散」だけによるものだと仮定しており、後者は「試験内分散」と「試験間分散」の2つがあると考えているためです

試験間分散がゼロかどうかの検定を不均一性の検定(または異質性の検定)と呼んでいます

【メモ】ネットワークメタアナリシスと間接比較

抗凝固薬メタアナリシスでは、4つの臨床試験の結果を統合し、新規経口抗凝固薬はワルファリンに比べ、脳卒中または全身塞栓症を減らすことが示されました。しかし、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンをまとめてNOAC群として解析していることに疑問を持つかもしれません。 ネットワークメタアナリシスは、3つ以上の治療を比較するための統計手法です。仮に、ダビガトランがリバーロキサバンより有効かどうかが知りたいとしましょう。ところが、NOAC同士を直接比較した臨床試験はありません。そこで用いるのが、間接比較という考え方です。間接比較では、ダビガトラン対プラセボの相対リスクとリバーロキサバン対プラセボの相対リスクの情報を用いて、ダビガトラン対リバーロキサバンの相対リスクについて推測します。ネットワークメタアナリシスでは、直接比較と間接比較を統合解析することによって、一度に多くの治療の比較が可能になります。その一方で、間接比較はランダム化に基づく比較ではないため、モデルに依存せざるを得ないという限界があります。

</aside>

<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 理解を確認するためのクイズ1

試験間の不均一性の原因としてもっとも適切なものは、次のうちどれでしょうか。

  1. 海外の試験に比べ日本の試験では、全体として高齢者が多かった
  2. 海外の試験に比べ日本の試験では、重篤な副作用が多かった
  3. 試験薬の投与量が欧米人の体格に合わせて設定されており、海外に比べ日本の試験では試験薬群の成績が悪かった
  4. 固定効果モデルを用いて解析を行った

<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 理解を確認するためのクイズ2

固定効果モデルではなく変量効果モデルを用いるメリットとして正しいのは、次のうちどれでしょうか。

  1. 95%信頼区間が狭くなる傾向がある
  2. 試験間で研究デザインに違いがあるとき、より現実的な結果をもたらす
  3. 大規模で重要な試験により大きな重みを与える
  4. 公表バイアスの影響を受けにくい