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<aside> <img src="/icons/save_blue.svg" alt="/icons/save_blue.svg" width="40px" /> 講義動画で用いたデータセットとSASプログラム

Brochner_Mortensen.csv

Brochner_Mortensen.sas

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<aside> <img src="/icons/book_blue.svg" alt="/icons/book_blue.svg" width="40px" /> ポイント

2値データ解析で用いられる回帰モデルにはいくつかの種類がありますが、代表的なのがロジスティック回帰です。ロジスティック回帰の特徴は、回帰式の左辺が対数オッズという点です。そのため、オッズ比=exp(β)というように、回帰係数βを指数変換することでオッズ比を計算することができます。

ケース・コントロール研究では、オッズ比は曝露とアウトカムの関連の強さを表す指標として用いられます。しかし、検査の診断精度を調べる研究では、検査値によって、疾患のある集団と疾患のない集団を、高い精度で分類できるかどうかに関心があります。この能力は判別能力と呼ばれ、感度・特異度・ROC曲線で評価されます。ROC曲線の曲線下面積はarea under curve(AUC) またはC統計量と呼ばれ、AUC=1は感度・特異度100%が達成できたとき、AUC=0.5は対象者をランダムに分類したときに対応します。

【メモ】Receiver-operator-characteristics(ROC)曲線

検査結果が連続値のとき、感度・特異度はカットオフ値(診断基準)に依存して変化します。そのとき用いられるROC曲線は、カットオフ値の変化に伴って生じた感度と1-特異度を、それぞれ縦軸と横軸にプロットしたものです。図1は、糸球体濾過率(連続データ)によってCKDを予測するときのROC曲線です。ROC曲線は、45度の直線から離れるほど(図の左上に近づくほど)、感度・特異度が高いことを意味します。ROC曲線の曲線下面積はarea under curve(AUC) またはC統計量と呼ばれ、AUC=1は感度・特異度100%が達成できたとき、AUC=0.5は対象者をランダムに分類したときに対応します。

感度・特異度はカットオフ値に依存しますが、トレードオフの関係があって両方を同時に高くすることはできません。たとえば、カットオフ値を最低値にすると(全員を疾患ありと診断することで)、感度は100%にできますが、特異度は低くなります。カットオフ値を上昇させることで、特異度を高められますが、一方で感度は減少します。このような関係があるため、ROC曲線を描いて、感度・特異度を両方同時に調べることで、最適なカットオフ値を探します。

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<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 理解を確認するためのクイズ1

血圧をアウトカム、LDL-Cを説明変数として線型モデルを当てはめたとします。LDL-Cの単位を、mg/dLからmol/Lに変換したとき、回帰係数は何倍になるでしょうか?ただし、LDL-C (mmol/L)=LDL-C (mg/dL)×0.02586です。

  1. 約0.03倍になる
  2. 約40倍になる
  3. 約40乗になる
  4. 変わらない

<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 理解を確認するためのクイズ2

脳卒中発症を結果変数、LDL-Cを説明変数としてロジスティック回帰を当てはめたとします。LDL-Cの単位を、mg/dLからmol/Lに変換したとき、オッズ比はどう変化するでしょうか?

  1. 約0.03倍になる
  2. 約40倍になる
  3. 約40乗になる
  4. 変わらない