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2標本検定に基づいてサンプルサイズを計算するためには、群間差を設定しなければならない。生存時間データでは、それを2群ごとの生存確率で指定する方法と、2群間のハザード比で表す方法がある。
群1と2の生存時間が指数分布に従うと仮定する。それぞれの群のハザード$\lambda_1$、$\lambda_2$、群2を基準にとったハザード比$HR=\lambda_1/\lambda_2$、群1と2の生存時間中央値$M_1$、$M_2$、群1と2の生存確率$\pi_1$、$\pi_2$について、以下の関係が成り立つ。
$HR=\frac{\lambda_1}{\lambda_2}=\frac{M_2}{M_1}=\frac{\log(\pi_1)}{\log(\pi_2)}$
ログランク検定は、2群の生存時間分布に差がないかどうかを判断するための検定である。この検定は、t検定や$\chi^2$検定とは異なり、生存時間が打ち切られることなく観察され、イベントとして確認できた数Eが重要である。すなわち、検出力を満たすために必要なイベント数がまず決まり、追跡期間を考慮した上で、それを実現する施設数・登録期間・人数を設定することとなる。
必要イベント数の公式として、Shoenfeldの式とFreedmanの式の2つがある。そのうちShoenfeldの式は、以下のようなものである。
$E_{Sch}=\frac{(1+\psi)^2}{\psi}\frac{(z_{1-\alpha/2}+z_{1-\beta})^2}{\{\log(HR)\}^2}$
なお、φは、1以上の値をとる実数で、割付け比が1: φであることを意味する。公式数表集 では、この式に対応する数表は表7で与えられている。ハザード比ではなく生存確率を用いてイベント数を求める数表は表8で、サンプルサイズを求める数表は表9である。
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<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 問題
ランダム化臨床試験において、試験終了時の生存割合が標準治療群で30%、新規治療群で40%と見積もられる場合、想定されるハザード比HRを求めよ。
HR=
上のような状況で、割付け比1、α=0.05、β=0.1の両側ログランク検定に必要なFreedmanの公式によるイベント数を求めよ。公式数表集を用いてよい。
試験全体で イベント