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<aside> <img src="/icons/alert_blue.svg" alt="/icons/alert_blue.svg" width="40px" /> ポイント
Bayes流1閾値デザインまたは2閾値デザインは、奏効確率によって治療の有効性を判断する単群第II相臨床試験のための方法である。これらのデザインにおいて、有効性の判断は、奏効確率πの事後分布によって行われる。すなわち、奏効確率πが、ある設定値$\pi_{New}$よりも高いという確率が、$\lambda_2$よりも大きいとき、有効と判断する。これを式で表すと
$\Pr(\pi>\pi_{New})>\lambda_2$
となる。逆に
$\Pr(\pi>\pi_{New})\leq\lambda_2$
という試験結果だと、治療は有効ではないと判断される。
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<aside> <img src="/icons/help-alternate_blue.svg" alt="/icons/help-alternate_blue.svg" width="40px" /> 問題
図1は、単群第II相臨床試験を行い、登録予定だった30人の患者の評価を完遂し、30人中16人が奏効したときに得られる事後分布である。この事後分布は、無情報事前分布を仮定することで
$\Pr(\pi)=\pi^{17-1}(1-\pi)^{15-1}=\pi^{16}(1-\pi)^{14}$ という関数として与えられる。$\pi_{New}=0.5$、$\lambda_2=0.7$を判断基準として用いるとする。このとき、図1の事後分布から治療の有効性を判断した結果はどうなるか。
図1の事後分布からは有効 と判断される
図1. a=17、b=15のベータ分布の密度関数と分布関数

図2は、30人中17人が奏効したときの事後分布である。図2の事後分布から治療の有効性を判断した結果はどうなるか。
図2の事後分布からは有効 と判断される
図2. a=18、b=14のベータ分布の密度関数と分布関数
